私はいわゆる脱サラ農家なのですが、有機農業の世界に入ったのは一にも二にも有機農業を普及させたかったからです。
なぜ有機農業か?という問いにはきっとfarmOの会員のみなさんはすでにそれぞれの答えをお持ちだと思います。
私の場合サラリーマンの頃は電気系のエンジニアだったのですが、もう亡くなった 父親が農学者でして、彼は人生の後半を有機農業の研究と普及に尽くしたので、その意志を引き継ごうとしたのがきっかけです。
さて、私が有機農業の普及のために何ができるか?
農業の世界に入る前は生産を中心に、流通やレストランやグリーン・ツーリズムなどの一大ネットワークを作りたいなどという妄想を描いてましたが、まずは農家を始めないと、ということで農地のご縁のあった南丹市日吉町で新規就農し、その後現在の京都市西京区に移転しましたが、農業を始めて早15年が経ちました。
実際に農業を始めると、かつての妄想はすっかり忘れて日々の農作業に埋没する毎日でしたが、なんとか食べられるようになったのは農業6年目くらいからです。
想定以上に年数がかかりました。
その後サラリーマン時代に培った技術を有機農業の普及に活かせないかと、いろいろ紆余曲折試行錯誤した結果行き着いたところがデータ活用型有機農業という技術です。
これまで有機農業というのはカンコツ経験の最たるもので、センスの良い人が長年かかってようやくできるものでした。
しかしこれでは利益が出る前に資金が尽きて止めてしまう人、苦しい生活状況に陥る人が続出します。
そこで、土や栽培中の植物の状態、経営状態などを数値化・データ化していくことで、対策を明確にし、安定して有機農業ができるようにしようという技術です。
オーガニックnicoはこの技術を作り上げ、実践し、広めていく、というところを中心に取り組んでいます。
【次回に続く】